竹影堂製の打ち出し模様の銅製茶道具
銘:黄銅手打銀杏紋 蓋置(きどう てうち いちょうもん ふたおき)
作者:京錺匠 竹影堂
付属:共箱(「黄銅手打蓋置 竹影堂」箱書、印)
本作は、京の錺(かざり)金具の名門・竹影堂による黄銅製の蓋置です。素材には深みある黄金色を湛える黄銅を用い、丹念な**手打ち(鍛金)**によって表面に槌目(つちめ)を施しています。この槌目文様は光の反射を柔らかにし、使い込むほどに味わいを深める美観を与えています。
器形は筒形にまとめられ、腰部に銀杏葉文が象嵌風に打ち出されています。銀杏は古来より長寿・繁栄・強靭さを象徴する吉祥文様であり、秋の茶席にも格好の意匠です。
金工蓋置は竹蓋置や陶製と比して格調高く、炉・風炉のいずれにも使用可能なため重宝されます。本作は槌目の規則正しい美しさと、銀杏紋の簡素にして洗練された意匠が調和し、茶席の気品を高める逸品となっています。
竹影堂は江戸時代より続く京の錺金具の名門で、神社仏閣の荘厳具から茶道具に至るまで幅広く制作を行ってきた工房です。現代に至るまでその技術は連綿と受け継がれており、本作もその伝統に裏打ちされた作品といえます。
共箱の書風や淡交社扱いの経緯から、本作は昭和後期〜平成期の制作と考えられます。現代の茶道具市場においても、格式ある金工蓋置として高く評価されています。
- ブランド: 竹影堂
- 素材: 銅
- デザイン: 打ち出し模様
- 用途: 茶道具
- 付属品: 専用箱
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