墨絵にて*宝珠の中に*大黒天というとても縁起の良い意匠で描かれています。田中日華の年記落款が伴う作品はあまりございませんので、貴重な作品といえます。落款は『庚子六月六甲子に 九峰堂日華』として印が捺してあります。庚子は天保11年(1840)、この年の6月の甲子は18日にあたります。よって天保11年(1840)6月18日に描かれたことが判ります。外題には『玉中大黒天日華筆*明治十八年一月一日買得 永井芝椿蔵』と記してあります。箱は時代箱で蓋表に『玉中大黒天 日華筆』、蓋裏に『永井匡威蔵』と記してあります。
全体に巻きジワございますが、描かれてから180年以上経過しておりますので経年変化とお考え下さい。
*宝珠・・・災難を除き、濁水を清くするといわれ、どんな願いもかない、欲しいと思っている宝物を作り出すといわれています。
*大黒天・・・七福神の一柱として、五穀豊穣、商売繁盛、開運などのご利益があるとされる福の神として信仰されています。
*明治18年(1885)
紙本。時代箱。朱塗軸。
長さ183㎝ 幅40㎝(表装を含む)
美術家名鑑評価額80万円。
▢田中日華(たなかにっか)
生年不詳~弘化2年(1845)
絵師。京都。四条派。岡本豊彦に師事する。号~月渚・九峰堂。人物・花鳥・草花図を得意として、のちに一家をなす。
▢永井匡威(ながいまさたけ)
文政12年(1829)~明治33年(1900)
尾張藩士。鳴尾永井家の11代目。帯刀を許された豪農。子に永井久一郎(漢詩人・官僚)、孫に永井荷風(小説家)、小説家三島由紀夫、狂言師の野村萬斎も子孫にあたる。
◇鳴尾永井家・・・尾張国(尾張藩)で苗字帯刀を許された豪農として続いた家。近代に永井荷風を初め、官僚・政治家・文人など多彩な人士を輩出した。
【参考文献】
落款花押大辞典 淡交社
美術家名鑑 美術倶楽部
永井久一郎 Wikipedia
三島由紀夫 Wikipedia
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